第28回 約束(プロミス)エッセー大賞

過去の受賞作品

2022年
第27回入賞作品

プロミスお客様サービスプラザ賞

担当医との約束 丸山 智博(16歳 高校生)

 「必ず治して、お願い」
 私が小学二年生の時尿に異常があり私は病院に行った。結果は腎臓の病気だった。突然の病気の発覚に私は理解が追いつかなかったが家族が泣いていたのは今でも鮮明に覚えている。こうして私は入院生活を余儀なくされた。入院生活は当時の私にはとても辛いもので友達にも会えず、家族にもたまにしか会えずいつしか私は心を閉じるかのように感情を表にあまり出さなくなりました。そんな日々が続いたある日、私の担当医である先生が多少動けるようになったからと言い入院者が行くキッズスペースに案内してくれた。そこでは私より小さい子や同じくらいの歳の子が元気そうに遊んでいた。そんな姿を見て私も元気をもらい毎日キッズスペースに行ってはそこにいる子とトランプやアニメ鑑賞をしました。そんな生活をしていく内に私の中での医師や看護師はお風呂や点滴、途中経過を見てサポートしてくれる心強い人と同時に強い憧れを持つようになりました。そんな感じで過ごしたある日、ついに私の手術の日を迎えました。頑丈そうな自動ドアを通り中には色んな器具と異様な空間がそこにはありました。私はそんな手術室を見て怖くなってしまいました。そして寝転がった時に入眠剤を注入しようとしてくる担当医があまりにも怖くて、暴れたり医者なんて嫌いと叫んでいました。その時担当医は「僕のことを嫌いになってもいいから少しだけ我慢して必ず助けるから。」と優しい声で言ってきました。その言葉を聞いて私は落ち着きを取り戻し、ただ一言「ごめんなさい。」と言って意識が途絶えた。
 目が覚めると私は病室にいて陰部には何かの器具が付いていた。しばらくすると担当医が来て手術の成功と怖がらせたことへの謝罪をして病室から出て行った。その後看護師に一人でトイレに行けなかったら陰部にある器具が処理すると言われたがさすがに恥ずかしかったので一人で行けると言った。手術をした場所にはなにかがありとても重く点滴の物を持ちながらでないときつかった。
 そんな入院生活も終わり私は退院をした。私は担当医に助けてくれてありがとうと言ったがこれで終わりではなく月に一回様子を見るために病院に行く約束をした。何回か通ったある日、担当医は私に「もうある程度治ったから薬さえ飲めば好きな物を食べられる。」と言った。
 しかし私は外食とかは知らなかったから聞いてみた。先生は「寿司」と答えた。それを聞いてその日の夜初めて食べた、それはあまりにも美味しくてつい涙をこぼした。こんな出き事や学校生活の話や定期健診をするために私はまた病院に行った。いつものように話していた私と担当医でしたが、帰る直前に口を開いた。話を聞くとその担当医は別の病院の院長で私のためにこっちに来たと言い、これからは別の担当医になると知らされた。その時私は私のためにこんな遠いところまで来ていたのかと考えて泣きそうになりました。そんな私を見て先生は「僕みたいに医者になって人を助けるという夢もいいけど僕は自分の責務を果たしただけだし、君はこれから先多くのことを学ぶからその時本当の夢を見つけよう。」そしてその担当医はその次にこう言った。「君は他人のことを考えられる良い子だから感謝をするのはもちろんのこと、感謝される人になってくれ。」と言った。この言葉はどんな有名人よりもより強く私の心に残った。私はこの担当医に助けてもらった命を大切にし、この約束を守れる人になりたいです。