2018年
第23回入賞作品
グローバル賞
友達との再会の約束 ドーソン ディーン博真(15歳 学生)
友との再会の約束。僕は、毎年数年で別の国へ引越して行ってしまう友人たちに、将来、本当に再会することができるのだろうか、再び会うことができるのだろうか、と一抹の不安がよぎる、が、さよならを言う時はいつも「じゃあ、また会おうな。」と言う。僕らは決してお互いに再び会うことはないかもしれないのに、おそらくこう言い続けるのだろう。それは僕らの宿命なのだ。
このような友人たちのうちの一人はジュリアンだ。彼は七年生の始めにアメリカから転校してきて、すぐに一番仲良しの友だちになったが、七年生が終わるという頃になって、僕はジュリアンが神戸に引越すことを知った。「たったの一年で引越し?」と始めは驚いたが、僕の学校の生徒は親の仕事の都合で毎年引越しをしなければならない生徒も沢山いるということを両親から聞いて、徐々に自分を納得させた。このジュリアンから「東京に行く」と、クリスマスの数日前に連絡があり、約一年半ぶりで再会することができた。しかし、ジュリアンは、翌日、父親の次の赴任先のテキサス州サンアントニオへ向けて引越すために成田から飛び立ってしまった。これがジュリアンに会える最後かもしれない、と思い、僕らは渋谷でランチと映画を楽しんだ。
そのうちのもう一人はボビーだ。彼は僕が八年生の時にアメリカから転校してきて、八年生で僕が一番仲良くなった友だちだ。ボビーも、ジュリアンや僕と同じ、ハーフアメリカ人でありハーフ日本人だ。彼もジュリアンと同じように、一年間でアメリカのペンシルベニア州にある父の実家に帰って行ってしまった。彼とはこれからも会う機会はたくさんありそうな気がするが、それは一年に一回に限られているので、毎日、学校で彼に会えないことや、次の授業への移動中に一緒にジョークを言い合うことができないのを、僕は寂しく思っている。
もう一人、最近、引越してしまった友だちに、ヒューオンがいる。ヒューオンは、ハーフオーストラリア人でありハーフベトナム人だ。毎週のように、週末の夜は、彼と二人で午後八時から夜通し一緒にオンラインゲームをしたこともあった。しかし、ヒューオンは、つい先月、九年生の一学期終了と同時にタイのバンコクに引越ししてしまった。それからもう三週間経ったが、学校の廊下を歩いていると、ヒューオンはもういないと分かっているはずなのに、今でも彼のことを探してしまう。
そして、僕は、あと三年半も経てば、この三人のように日本を離れ、アメリカの大学へと飛び立ってしまう。その時が来ても、今までに僕が出会った友だちのこと、彼らとの大切な思い出を忘れないでいたい。この地球上の七十七億という人の中で、僕らはほんの一握りの存在だけれども、地球のどこに行ってしまったとしても、お互いを探して再び会えるように、これからも、「じゃあ、また会おうな。」と、再会の約束を僕はし続ける。その約束をいつか果たすために。